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この文の目的は、日本在来の馬、都井の御崎馬についてのわたしなりの考察を簡単にまとめることにある。
御崎馬は数少ない日本の在来馬として、300年近く人に守られながらも、野性の生活形態を維持して来たまことにユニークな馬である。たしかに彼らは昔の日本の馬の形態を残すので、博物学的に貴重であり、また、重要な観光資源でもある。しかし彼らは、他ではみられない、タイムカプセルのように昔からの日本の馬の形をとどめる馬としてのみ、価値あるのではない。私は、彼らの生き方から学ぶことは、これからの人と 馬の関係を深める上で、大きな手掛かりをもたらす事が出来るのではないかと考える。
いいかえれば、御崎馬独自の飼養形態に示される色々な点が、実は今、世界最先端の馬の飼育方法とされているナチュラルホースマンシップの指針や、最先端の家畜福祉の精神にも通じる,という事をこの文で示したい。つまり、この文の目的は、御崎馬が地元の人々と培ってきた生活が、未来への豊かな指針をわれわれにもたらすのだという事を指摘する事にある。
人に、そっとみまもられながら、馬本来の自由を満喫して生きている、御崎馬。彼らから学ぶことを通じ、わたしは人とかかわるすべての動物と、いかによりよく関わってゆけるだろうか、という、未来につながる大きな質問への答えを模索する。
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